いつのまにか巨大なコンクリートは姿を消していた。そして大きな橋のたもとに出た。僕は橋の中央で足を止めて川をのぞいた。月と対岸の灯りが重なってキラキラゆれている。色彩のないシルエットが美しい。形のない川は銀河のように光っている。暗い川は時間が永遠に止まってしまいそうだ。
暗い川を見ていると吸い込まれそうになる。橋の欄干に立って飛び込むことを想像してみる。あの世って本当にあるのだろうか。19歳の若さで海に溺れた友達に会うことができるだろうか。それとも僕自身が存在したことさえ永遠に消えてしまうのか。
耳鳴りがした。僕の血の震動のようだ。その音はクラフトワークの「鏡のホール」のようだったり、ラヴェルの「ボレロ」だったりする。僕の耳に単純なリズムが反復した。クラクションの音で驚く。あぶない。かなり身を乗り出している自分に気づいた。やれやれ、この場所には死神がいるのか。
橋を渡り、石ころだらけの砂利道を歩いて、やがて狭い路地をぬけると派遣の2人が待っていた。空が少しずつ明るくなって一日が始まろうとしている。
暗い川を見ていると吸い込まれそうになる。橋の欄干に立って飛び込むことを想像してみる。あの世って本当にあるのだろうか。19歳の若さで海に溺れた友達に会うことができるだろうか。それとも僕自身が存在したことさえ永遠に消えてしまうのか。
耳鳴りがした。僕の血の震動のようだ。その音はクラフトワークの「鏡のホール」のようだったり、ラヴェルの「ボレロ」だったりする。僕の耳に単純なリズムが反復した。クラクションの音で驚く。あぶない。かなり身を乗り出している自分に気づいた。やれやれ、この場所には死神がいるのか。
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