太陽はまぶしいくらい。つかめそうな白い雲が高層ビルの下に浮いている。僕はベンチに座ってため息をつく。オフィスビルから人が出てきて、近くのベンチや噴水のぞばに腰掛けて弁当をひろげる。喧騒の中で笑い声がビルの谷間に響く。
派遣先の仕事が終わって、早い昼食をすませて、僕たちは社員とともに会社へ戻るだけだった。社員の後藤さんは飲み終えた缶に煙草の灰を落として、女性たちを眺めていた。正午を数分過ぎたばかりだ。こうやってどのくらいプラスチックのベンチに座ってぶらぶらするんだろうな。あー、本を持ってくればよかった。
松ちゃんはどこに行ったんだろう。どこかで飯を食っているんだろうか。あとをついて来ていたのに逸れてしまった。それというのも後藤さんがいけないんだ。信号が黄色でも止まることなく加速して右折してしまうんだからな。あれじゃ、ついて来るなといっているようなもんじゃん。
後藤さんは中田さんの悪口ばかり言う。中田さんは何もしゃべらないとか、あいつは使えないやつだとか。同じ社員じゃないか。仲間を見守ってやれない先輩を持つと不幸だな。ふあーと生あくびをもらして、後藤さんがベンチで横になって本格的に昼寝をしようとしているのを横目でチラリと見た。
後藤さんが仰向けになったときケータイが鳴った。慌てて起き上がり、上着のポケットからケータイをとり出す。
「はいはい。後藤です。ええ、いや、途中で逸れちゃったんですよ。後ろについてきているかなと思って、えっ、中田、戻ってるんですか?はい、わかりました。すぐ帰ります」
後藤さんはケータイをポケットにしまい、まいったな、社長から電話だよと言った。あいつ会社に戻りやがって。じゃあ、帰るかな。助手席に乗り込んだ僕はご機嫌だった。
後藤さんはぶつぶつ言いながら運転をして、やがて会社に着く。門のところで松ちゃんが手を振った。伝票にサインをもらったか訊くと、まだだと答える。僕は伝票を書いて後藤さんにサインをもらった。
派遣先の仕事が終わって、早い昼食をすませて、僕たちは社員とともに会社へ戻るだけだった。社員の後藤さんは飲み終えた缶に煙草の灰を落として、女性たちを眺めていた。正午を数分過ぎたばかりだ。こうやってどのくらいプラスチックのベンチに座ってぶらぶらするんだろうな。あー、本を持ってくればよかった。
松ちゃんはどこに行ったんだろう。どこかで飯を食っているんだろうか。あとをついて来ていたのに逸れてしまった。それというのも後藤さんがいけないんだ。信号が黄色でも止まることなく加速して右折してしまうんだからな。あれじゃ、ついて来るなといっているようなもんじゃん。
後藤さんは中田さんの悪口ばかり言う。中田さんは何もしゃべらないとか、あいつは使えないやつだとか。同じ社員じゃないか。仲間を見守ってやれない先輩を持つと不幸だな。ふあーと生あくびをもらして、後藤さんがベンチで横になって本格的に昼寝をしようとしているのを横目でチラリと見た。
後藤さんが仰向けになったときケータイが鳴った。慌てて起き上がり、上着のポケットからケータイをとり出す。
「はいはい。後藤です。ええ、いや、途中で逸れちゃったんですよ。後ろについてきているかなと思って、えっ、中田、戻ってるんですか?はい、わかりました。すぐ帰ります」
後藤さんはケータイをポケットにしまい、まいったな、社長から電話だよと言った。あいつ会社に戻りやがって。じゃあ、帰るかな。助手席に乗り込んだ僕はご機嫌だった。
後藤さんはぶつぶつ言いながら運転をして、やがて会社に着く。門のところで松ちゃんが手を振った。伝票にサインをもらったか訊くと、まだだと答える。僕は伝票を書いて後藤さんにサインをもらった。
コメント
フィクションかノンフィクションなのか、不思議な感じがして以前から気になっていました。
リンクさせていただきました。
日記の感想とリンクありがとうございます。