「あ、短くしたんですね」と僕が言うと、山根さんは短い前髪を左手で撫ぜて、「うん、夏の前は、いつも短くしているんだ」と照れた。店員がコーヒーをテーブルの上に並べた。僕は不動産が発行しているパンフレットとネットで調べたプリントをカバンから出して「これ」と言って、彼に渡した。彼は「これは、どうも」と、熱心に賃貸の資料を読み始める。
山根さんは資料から顔を上げて、「実は、千葉に友人がいて、賃貸の交渉をしてきたんだ」と言った。その友人の家屋で、2階の部屋を貸してくれるらしい。なんだ、そういうことは早く言えよ。僕が調べるまでもなかったじゃないか。
「で、もう住んでるんだ」と彼は涼しそうに言った。マジかよ。僕は呆れた顔で彼を見た。彼は目を伏せて、飲みかけのコーヒーを眺めている。仕事は?と彼の痩せた体に訊くと、「仕事みつけなきゃ」と彼は笑った。
生暖かい風がぼくの体にまとわりつく。山根さんと別れて、アパートの通路をゆっくりと歩いた。部屋に戻り、ラジオのFMを流しながら、引き出しの風邪薬を探した。あった。まだ残ってた。2錠呑んで、卓袱台の横に寝そべった。
いつのまにか寝込んでいたようだ。ケータイが鳴っていた。ええと、ケータイはどこだっけ。ジーパンのポケットからケータイを手に出ると、「ヤキン、大丈夫?」という声がした。「はぁ?ヤンキーって」僕の思考は停止していた。社長の声だと気づき、あ、どうも、と答えた。明日から2週間、東京での夜勤で、19時半までに派遣先の事務所に行ってね、と言われた。
東京の夜は寒いのかな。それとも暑いのかな。上着、持っていった方がいいよね。去年、東京で夜勤したときは夏だったからよかったけど。夜勤って、体がなかなか慣れないんだ。日中は眠れないしさ。日記、書けないだろうな。たぶん、眠くて眠くて、頭がぼーっとして。
山根さんは資料から顔を上げて、「実は、千葉に友人がいて、賃貸の交渉をしてきたんだ」と言った。その友人の家屋で、2階の部屋を貸してくれるらしい。なんだ、そういうことは早く言えよ。僕が調べるまでもなかったじゃないか。
「で、もう住んでるんだ」と彼は涼しそうに言った。マジかよ。僕は呆れた顔で彼を見た。彼は目を伏せて、飲みかけのコーヒーを眺めている。仕事は?と彼の痩せた体に訊くと、「仕事みつけなきゃ」と彼は笑った。
生暖かい風がぼくの体にまとわりつく。山根さんと別れて、アパートの通路をゆっくりと歩いた。部屋に戻り、ラジオのFMを流しながら、引き出しの風邪薬を探した。あった。まだ残ってた。2錠呑んで、卓袱台の横に寝そべった。
いつのまにか寝込んでいたようだ。ケータイが鳴っていた。ええと、ケータイはどこだっけ。ジーパンのポケットからケータイを手に出ると、「ヤキン、大丈夫?」という声がした。「はぁ?ヤンキーって」僕の思考は停止していた。社長の声だと気づき、あ、どうも、と答えた。明日から2週間、東京での夜勤で、19時半までに派遣先の事務所に行ってね、と言われた。
東京の夜は寒いのかな。それとも暑いのかな。上着、持っていった方がいいよね。去年、東京で夜勤したときは夏だったからよかったけど。夜勤って、体がなかなか慣れないんだ。日中は眠れないしさ。日記、書けないだろうな。たぶん、眠くて眠くて、頭がぼーっとして。
コメント
夜勤2週間なんて想像出来ない(><)
ドラキュラかっ?キタロウかっ?
陽に当たらないと青白くなりそうねw
だからと言って昼間寝ないと身体を壊すからね~
日焼けマシーンを会社に持ち込むと良いかも~