このうえもなく穏やかな日だった。アパートに帰ると、窓の外で、紺色の作業服を着た男が庭で何かしていた。帽子にポリスというローマ字が見え、ああ、鑑識課の人だなと思った。僕の住むアパートに多少の庭らしきものがあり、隣家とアルミ柵で境界線をめぐらしている。その柵の上を刷毛で丹念に掃除をして、きれいに埃を落としたあと、指紋を採取しているようだ。
「こんにちは」
僕は窓を開けて、後ろ向きの彼に声をかけた。
彼はすぐに後ろをふり返り、僕と目が合うとニヤッと笑った。
「どうかしましたか?」
「いや、実は昨夜こちらに泥棒が入りまして」
「そうですか、ご苦労様です。ところで、その壊れている部分の柵は、そちらの子供が柵を乗り越えたときに折れたんですよ」
連休、隣家の子供が柵を乗り越えようとして、アルミ製の細い針金を数本曲げていた。
彼は頷きながら、「どおりで、指紋が小さかった」と言った。
家の周囲を調べ終わると、彼は刑事と共に去っていった。
少しずつ気分が沈んでいく。この辺も物騒になったもんだな。鍵をかけても安心はできないが、これからは窓の鍵はかけることにしよっと。
「こんにちは」
僕は窓を開けて、後ろ向きの彼に声をかけた。
彼はすぐに後ろをふり返り、僕と目が合うとニヤッと笑った。
「どうかしましたか?」
「いや、実は昨夜こちらに泥棒が入りまして」
「そうですか、ご苦労様です。ところで、その壊れている部分の柵は、そちらの子供が柵を乗り越えたときに折れたんですよ」
連休、隣家の子供が柵を乗り越えようとして、アルミ製の細い針金を数本曲げていた。
彼は頷きながら、「どおりで、指紋が小さかった」と言った。
家の周囲を調べ終わると、彼は刑事と共に去っていった。
少しずつ気分が沈んでいく。この辺も物騒になったもんだな。鍵をかけても安心はできないが、これからは窓の鍵はかけることにしよっと。
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