雨が降らない日、ぼくは霊の世界にいる。
そこで、お菊さんという貧しい農家のお姉さんと知り合った。
生前は名主の子守奉公をしていたらしい。
子守のために家の外を歩きまわって、泣き叫ぶ赤ん坊をようやく寝かしつけて家に戻ったら、
「日暮れた時間までどこ行ってたの」と、女主人に叱られた。
この女主人嫌いだ。
晩ご飯抜きで、お菊さんは外に追い出されてしまった。
赤ん坊を抱いたまま、沼の辺に行くと、お菊さんは沼の水を飲もうとして屈んだ。
そのとき、恐ろしいことが起きてしまった。
はずみで、背中の赤ん坊がスルリと水の中に落ちてしまったんだ。
お菊さんは恐ろしくなって逃げ出し、墓地でサルスベリの枝に帯をかけて首をくくってしまった。
名主は赤ん坊を捜したけど見つからない。
お菊さんは死体となって墓地で発見されたが、供養する者がいないので無縁仏として埋められてしまった。
今でもお菊さんは墓地の片隅で子守唄を歌っている。
そして、幼くして亡くなった水子の霊の子守をしているんだ。
が、がんばれ、お菊さん。

コメント

アンポタン
2009年6月22日19:43

寝起きの中村獅童さん なんで 今 お菊さんなの?
お菊さんてお皿のお菊さんじゃなかったんですか??

かくの
2009年6月22日19:59

お菊さん、結構、怖い話には登場しますよ。

蒸し暑い季節となってきましたね。 
どろどろ、どろーん……。
そんなときは、背中がゾクリとする話がいちばんじゃないですか。
イッ、ヒヒヒヒィ~。

播州皿屋敷のお菊さんはこのあと登場します。

ラクス
2009年6月22日21:01

【かくの君~♪】

う~ん
同居人もサルスベリの深紅の色は血に見えて嫌いだって言う。
私にはサルスベリにはそんな感覚はないなぁ~
でも夏の糞暑い時には赤より白の方が涼やかで好きだけどね~(^^)

かくの
2009年6月22日22:27

確か、サルスベリとかは横溝正史の本に出たような気がします。
白い花がいいですね。

アンポタン
2009年6月23日10:37

サルスベリの木って血の色なの?
木が血・・・・ひえぇ~~~~~っ!!
こ・・・こわい。
お菊さんと同様に怖い。。。

かくの
2009年6月23日12:29

はーい、アンポタンさん。
サルスベリという幹は樹液が真っ赤な血の色で、幹が血みどろ、血まみれ状態なんです。
きょわーい!わなわな…。
なーんちゃって。本当は白樺のように幹が白くて、つやつやしてます。
それで、猿も滑ってしまうことからサルスベリ(猿滑)とか、百日紅とかいいます。

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