ふいにカラスのなき声がした。見上げると、電線に黒くて大きなカラスがこちらを見ていた。国道沿いの歩道を自転車で走る。時折、後ろを振り返って、彼女の姿を確認する。帽子も被らず、太陽に照らされた彼女は、ハンカチで汗を拭きながら赤い顔をして自転車を漕いでいた。国道は熱い排気が充満している。道路のずっと先は光が屈折して、車が浮き上がって見えた。
本屋を過ぎて、牛の顔の下に万世と書かれた大きな看板が目に入った。駐車場の隅に自転車を止めて、ドアを押して中に入る。涼しい空気が体を包む。
「お二人様でしょうか?」
はい、と答えると、
「おタバコはお吸いになりますでしょうか?」
吸わないね、と彼女と視線を合わせながら言った。
「では、こちらにどうぞ」
国道が見える窓際に案内された。
僕は窓に広がる風景をぼんやりと眺めた。道路を挟んだ向こうにカツ家があって、すでに駐車場が満車状態だ。それに比べて、こちらの客は数人しかいない。
「何にしよーか」
嬉しそうな顔をした彼女は、
「んー、やっぱり、鉄板焼き?」
「でも、他のメニューも見てみようか」
僕は横に置かれたメニューを手にとって広げた。どれもうまそうなステーキの写真。へえー、ステーキ、五千円とかするんだ。一週間分の食費だな。
「やっぱり、鉄板焼きランチ」
彼女の声がして、僕は顔を上に向けた。
「よし、そうしよう」
メニューを閉じて机の呼び鈴を押すと、すぐに店の人が来た。
鉄板焼きランチを二つ注文したら、「ご飯はおかわり自由です」と言われた。
ほのかな湯気とともに香ばしい匂いが立ち昇っている。たれを焼肉にかけると、鉄板がぐつぐつと音を立てる。ようやく箸を動かし、僕は切り落としの牛肉を口に入れる。唇に触れた牛肉が熱くて驚く。
「それがさー、きいてよ」
僕は涙目になって、彼女の顔を見た。
彼女の友人が東彩ガスのガスコンロを買って、それがセンサーとかマイコンとか機能満載で、より使いこなすための実演日があって、それに誘われて行ったそうだ。食べるのが楽しみで行ったのに、参加者が大勢で、ちょっとしか食べれなかったよ、と頬を膨らます。でも全部美味しかったよ。特にアスパラと魚が。魚を焼いた後にトーストを焼いても美味しく焼けた。
僕はふんふんと相づちを打って、氷の入ったコップを変な角度から当てて、痛みのある唇を冷した。彼女の声がしなくなったので、そっと顔を上げる。彼女はずっと僕の妙な行動を見ていたようだ。しばらくして、「油の温度なんか----」と僕については何も語らず、ガスコンロの話は続いた。
油を揚げる温度が、いつも一定の温度に設定できるのは凄いな。プロの料理人や主婦なら、道具を選ばなくても旨い料理が作れるけどな。優れた道具を使えば、簡単にフランス料理なんて作れるようになれたらいいな。今度、僕も行ってみたいと思った。
本屋を過ぎて、牛の顔の下に万世と書かれた大きな看板が目に入った。駐車場の隅に自転車を止めて、ドアを押して中に入る。涼しい空気が体を包む。
「お二人様でしょうか?」
はい、と答えると、
「おタバコはお吸いになりますでしょうか?」
吸わないね、と彼女と視線を合わせながら言った。
「では、こちらにどうぞ」
国道が見える窓際に案内された。
僕は窓に広がる風景をぼんやりと眺めた。道路を挟んだ向こうにカツ家があって、すでに駐車場が満車状態だ。それに比べて、こちらの客は数人しかいない。
「何にしよーか」
嬉しそうな顔をした彼女は、
「んー、やっぱり、鉄板焼き?」
「でも、他のメニューも見てみようか」
僕は横に置かれたメニューを手にとって広げた。どれもうまそうなステーキの写真。へえー、ステーキ、五千円とかするんだ。一週間分の食費だな。
「やっぱり、鉄板焼きランチ」
彼女の声がして、僕は顔を上に向けた。
「よし、そうしよう」
メニューを閉じて机の呼び鈴を押すと、すぐに店の人が来た。
鉄板焼きランチを二つ注文したら、「ご飯はおかわり自由です」と言われた。
ほのかな湯気とともに香ばしい匂いが立ち昇っている。たれを焼肉にかけると、鉄板がぐつぐつと音を立てる。ようやく箸を動かし、僕は切り落としの牛肉を口に入れる。唇に触れた牛肉が熱くて驚く。
「それがさー、きいてよ」
僕は涙目になって、彼女の顔を見た。
彼女の友人が東彩ガスのガスコンロを買って、それがセンサーとかマイコンとか機能満載で、より使いこなすための実演日があって、それに誘われて行ったそうだ。食べるのが楽しみで行ったのに、参加者が大勢で、ちょっとしか食べれなかったよ、と頬を膨らます。でも全部美味しかったよ。特にアスパラと魚が。魚を焼いた後にトーストを焼いても美味しく焼けた。
僕はふんふんと相づちを打って、氷の入ったコップを変な角度から当てて、痛みのある唇を冷した。彼女の声がしなくなったので、そっと顔を上げる。彼女はずっと僕の妙な行動を見ていたようだ。しばらくして、「油の温度なんか----」と僕については何も語らず、ガスコンロの話は続いた。
油を揚げる温度が、いつも一定の温度に設定できるのは凄いな。プロの料理人や主婦なら、道具を選ばなくても旨い料理が作れるけどな。優れた道具を使えば、簡単にフランス料理なんて作れるようになれたらいいな。今度、僕も行ってみたいと思った。
コメント
\(^o^)~≪☆♪祝*肉の万世*祝♪☆≫~(^o^)/
私は和風ハンバーぐぅ♪が好きな~のだ~♪
万世のハンバーぐぅの中には「銀杏」が入ってるのだぁ~♪
たいがい1個くらいしか入ってないけど3個とか入ってたりすると
なぜかその日は1日ラッキーな気分なのだ~♪
かくの君も「ゲン」とか担ぐ方?
え?そうは言ってない。
銀杏が入っているなんて知らなかった。
うん、今度はハンバーグだね。
弦は弾くほうかなー。
なんか、いい事がありそうと、験を担ぐ方ですね。
「肉の万世」
→ にくの マンセ
にくの マンヨ
にくの バンセ
にくの バンヨ
これくらいしか思いつかないが。。。
アンポタンさん、もしかして知ってるんでしょ。
これは、にくの「まんせい」と読むんだそうで、
なんでも、秋葉原の「万世橋」から名前をつけたそうでーす。
「まんせい」か・・・・おしい!
というより私のおバカ。 「世」→セイとも読むやったね。クヤピィーッ!
すんまへん 田舎モンの私には縁遠い関東でして、万世橋なんていう橋 今初めて知りました。
それは本当におしかったです。
もうちょっとでしたねー。
今度の挑戦を楽しみにしてます。
こりゃー、僕の好きなものが合体してますねー。
ちなみにラメーンは何味でしょうかね?
醤油、味噌、塩?
僕が行ったところには、とんかつラーメンはなかった。
秋葉の近くの肉の万世ですよね。
へえー、そうですか、
部品とか買いに行ってたけど、この頃、行ってないなー。
秋葉原に行くことがあったらよってみます。
ところが、まんもすさんの日記が分からなくなって。
それで、ようやくみつけました。
よろしくお願いしまーす。
横入りですみませ~ん。
新宿駅の「メトロ食道街」てところにも万世のラーメン店がありま~す。
豚肉のカラアゲ?がドーンと乗った「パーコーラーメン」て言うのが有名で~す。
その店には洋食のハンバーグとかメニューになく
ラーメンオンリーで~す。
やっぱり、ラーメン、一度食べてみたいな。
雨、ふってます。
雀も鳴いてます。