一瞬の永遠

2010年7月11日 日常
今年も夜空を鮮やかに彩る花火大会がやってくる。
何という本か忘れたが、花火職人の物語が浮かぶ。

彼の作る花火は美しく人々を魅了した。彼には深く愛した女性がいた。彼女も花火が好きだった。彼は彼女のためにより美しい花火を作りたいと思った。研究を重ねて、ついに夜空に一度上げたら消えない花火を作った。しかし彼は彼女の愛の証でもある、その花火を打ち上げることをやめた。「消えるから花火は美しい」そう彼は呟く。夜空に炸裂する花火。一瞬の輝きのあと、火の粉がひらりと流れて花火は消える。だから美しいのだ。

なにがしとかやいひし世捨人の、
「この世のほだし持たらぬ身に、ただ空の名残のみぞ惜しき」
と言ひしこそ、まことにさも覚えぬべけれ。
--------徒然草第二十段

コメント

最新の日記 一覧

<<  2025年6月  >>
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
293012345

お気に入り日記の更新

最新のコメント

この日記について

日記内を検索