早朝から、バスや電車に揺られて、ららぽーと新三郷に向かった。僕はロフトで「ほぼ日のメモ帳セット」が欲しい。そして彼女はレプシィムで服を見てみたい。そして、ららぽーとにも丸亀製麺があるので昼はうどんを楽しみにしているのだ。
電車を降りて改札口から延びる歩道橋を歩く。空から強い日差しが照りつけて、建物や人の影はくっきりと明暗を分けていた。彼女は日傘を差し、僕は帽子をかぶる。そのまま二階から店舗入口を歩いて、どこかのカフェで休憩することにした。
彼女がおすすめのサンマルクカフェで、アイスカフェラテと焼き立てのパンを一つずつ選ぶ。落ち着いた感じのソファに座って、僕は焦げた感じのクロワッサンをかじる。
「お、これ、うまい」
僕は思わす声を出す。
「ね、おいしいでしょ。ここのパン」
「あ、フランクフルトが入ってるー」
「え、そーだよ。なんだ、知ってて選んだのかと思ったよ」
「知らなかった」
僕は口を動かしながら考えた。パン生地だけでうまいのにフランクフルトが入っているなんて許せない。普通、クロワッサンといったらバター風味で、外はサクっとして中はしっとりして何も入っていないものだ。そういえば板チョコが挟まれているのがあったな。それにしてもフランクフルトとは意外だった。
「どうかした?」と言いながら、彼女の選んだパンを半分にして僕に差し出す。
「いや、別に」と呟き、僕は食べかけのパンを彼女に渡す。
そして彼女がくれたパンを食べだした。うむむ、これもうまい。じゃがいもとバターの味がする。
僕たちのまわりには誰もいない。空席が誰かが座ってくれるのを待っているだけだ。僕たちの口調は穏やかで、そして静かなものだった。店をみる順番を決めて、食器をカウンターに置いてサンマルクをひっそりと出た。
ロフトに行き「ほぼ日のメモ帳セット」を探したが、置いてなかった。数ヶ月前、ここで買ったのに何故ないのだろう。メモ帳セットだけでなく、「ほぼ日手帳」といっしょに使うと便利で楽しくなるオプションのアイテムがすべて姿を消していた。申し訳なさそうに、ほぼ日の本体とカバーの見本が二冊、目立たないように他のシステム手帳の中にうもれていた。
落胆した僕に彼女は言った。
「無印良品に、使いやすいメモ帳があるよ」
僕は背後霊のように彼女の後ろをついて、無印良品の中に入っていく。そして僕は運命の出会いをした。「再生紙、表紙が360°折り返せるメモ」という長い品名のメモ帳と「ジーンズでラベル素材で作ったメモホルダー」というこれも長い品名のメモホルダーを購入した。
彼女はレプシィムで服を体に当てたりしたが、気に入ったデザインや色がなかったらしく、次回に持ち越しとなった。それからニトリに行って家具や食器などを見てまわった。椅子やソファがたくさん展示されていて、「これ、座り心地いい」とか言って、ソファに腰を下ろす。少しずつ体が傾いてきてごろ寝の体勢になっていく。
しばらくソファに身を沈めた二人は、行き交う人たちをぼんやり見ていた。泣き叫ぶ子供。大声で叱る母親。急に進路を変える夫、いなくなった夫を捜す妻。親子ほど年齢が違いそうな乳母車を引いた夫婦。こんな騒がしいところで、見本のソファに座って人々を観察していると思考が立ち止まってしまう。呼吸みたいに自然体になって、空気になって溶けてしまいそうだ。
ケータイの時計を見ればもう12時半を回っている。ソファから立ち上がり、うどん屋に行く。人、人、人。座るところがなく、席を待つ人の山。僕たちは途方に暮れ、楽しみにしていたうどんを諦める。混雑したららぽーとを離れ、日高屋で昼をとることにした。
電車を降りて改札口から延びる歩道橋を歩く。空から強い日差しが照りつけて、建物や人の影はくっきりと明暗を分けていた。彼女は日傘を差し、僕は帽子をかぶる。そのまま二階から店舗入口を歩いて、どこかのカフェで休憩することにした。
彼女がおすすめのサンマルクカフェで、アイスカフェラテと焼き立てのパンを一つずつ選ぶ。落ち着いた感じのソファに座って、僕は焦げた感じのクロワッサンをかじる。
「お、これ、うまい」
僕は思わす声を出す。
「ね、おいしいでしょ。ここのパン」
「あ、フランクフルトが入ってるー」
「え、そーだよ。なんだ、知ってて選んだのかと思ったよ」
「知らなかった」
僕は口を動かしながら考えた。パン生地だけでうまいのにフランクフルトが入っているなんて許せない。普通、クロワッサンといったらバター風味で、外はサクっとして中はしっとりして何も入っていないものだ。そういえば板チョコが挟まれているのがあったな。それにしてもフランクフルトとは意外だった。
「どうかした?」と言いながら、彼女の選んだパンを半分にして僕に差し出す。
「いや、別に」と呟き、僕は食べかけのパンを彼女に渡す。
そして彼女がくれたパンを食べだした。うむむ、これもうまい。じゃがいもとバターの味がする。
僕たちのまわりには誰もいない。空席が誰かが座ってくれるのを待っているだけだ。僕たちの口調は穏やかで、そして静かなものだった。店をみる順番を決めて、食器をカウンターに置いてサンマルクをひっそりと出た。
ロフトに行き「ほぼ日のメモ帳セット」を探したが、置いてなかった。数ヶ月前、ここで買ったのに何故ないのだろう。メモ帳セットだけでなく、「ほぼ日手帳」といっしょに使うと便利で楽しくなるオプションのアイテムがすべて姿を消していた。申し訳なさそうに、ほぼ日の本体とカバーの見本が二冊、目立たないように他のシステム手帳の中にうもれていた。
落胆した僕に彼女は言った。
「無印良品に、使いやすいメモ帳があるよ」
僕は背後霊のように彼女の後ろをついて、無印良品の中に入っていく。そして僕は運命の出会いをした。「再生紙、表紙が360°折り返せるメモ」という長い品名のメモ帳と「ジーンズでラベル素材で作ったメモホルダー」というこれも長い品名のメモホルダーを購入した。
彼女はレプシィムで服を体に当てたりしたが、気に入ったデザインや色がなかったらしく、次回に持ち越しとなった。それからニトリに行って家具や食器などを見てまわった。椅子やソファがたくさん展示されていて、「これ、座り心地いい」とか言って、ソファに腰を下ろす。少しずつ体が傾いてきてごろ寝の体勢になっていく。
しばらくソファに身を沈めた二人は、行き交う人たちをぼんやり見ていた。泣き叫ぶ子供。大声で叱る母親。急に進路を変える夫、いなくなった夫を捜す妻。親子ほど年齢が違いそうな乳母車を引いた夫婦。こんな騒がしいところで、見本のソファに座って人々を観察していると思考が立ち止まってしまう。呼吸みたいに自然体になって、空気になって溶けてしまいそうだ。
ケータイの時計を見ればもう12時半を回っている。ソファから立ち上がり、うどん屋に行く。人、人、人。座るところがなく、席を待つ人の山。僕たちは途方に暮れ、楽しみにしていたうどんを諦める。混雑したららぽーとを離れ、日高屋で昼をとることにした。
コメント
これは使いやすそうですね・・・・今度無印行ったときにチェックしてみよう。
すんげー何もない田舎にドカンとオープンしたんで
モノ珍しさでご近所近隣の方々がこぞって押しかけ
イモ洗い状態の混雑ぶりだったのを思い出しますぅぅぅ(--)
午前中はまばらだったのに、やはり休日ですね。
わんさかと集まってきて人の海ができました。