彼女の両腕は針を刺したために青くなっていた。
なかなか血管に針が刺さらないようだ。
彼女に訊くと、もう10回くらいやり直したそうだ。

病室は6人部屋で、入口に立って左右に3人分ずつのベッドが並んでいる。
彼女は左側の真ん中だ。

一番奥の窓側におばあちゃん。
手前に22歳の女性。

彼女に氷を入れた水筒の水を飲ませていると、手前の女性の方から何かパチパチする音がした。
この病室は全部カーテンで仕切られているので、何をしているのか分からない。
どうやら、ケータイを打ち込んでいる音のようだ。
病室で通話は禁止だけれど、外科病棟なので精密機器は使ってないのか、メールや通信はして大丈夫なのだ。

しばらくすると、バイブレータのブッ!ブッ!という音がして、またケータイを打ち込んでいる。そして、袋をがさがさ開ける音がして、ばりばり何かを食べている。一袋食べ終わったようで、そのあとは水分を飲む音がした。


「トイレに行きたい」
急に彼女が言った。
僕は彼女の右足を支えて車椅子に乗せ、足が下がらないように木の板を敷く。
点滴を移動する棒に移して車椅子を押す。
足を曲げてはいけないから、便器に移動するのが一苦労。

トイレから病室に戻る。
点滴している腕を動かしたから、液が漏れたようだ。
腕がみるみる腫れてきた。
看護師を呼んで、針の打ち直しをしてもらった。

隣からケータイの打つ音が聞こえる。また袋を開ける音がして煎餅らしきものをばりばり食べている。よほどお菓子が好きなんだな。


コメント

la vie en rose
la vie en rose
2010年9月4日23:32

かくのさん^^

私の腕が血管くっきりで看護師さんに喜ばれます^^
でも、義父はなかなか入らなくてその度に本人がすごく不機嫌になるので看護師さん泣かせでした。

早く点滴が外せますように。

かくの
2010年9月4日23:39

la vie en roseさん、こんばんは!

いや、いいですね。
彼女の血管は目でみても糸みたいです。
針を刺して、中でこねくりまわすので痛いと言ってました。
きっと、義父さんも痛かったんでしょう。

そうですね。点滴は不便です。

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